20201205 コードギアス新プロジェクト発表会


2020年12月5日、新作スマートフォンゲーム「コードギアスGenesic Re;CODE」、および新作アニメシリーズ「コードギアス 奪還のゼット」に関する発表が行われた。今回の発表を受けて考えたこと、今後の公式発表に期待したい事柄を、備忘として記載しておく。


◆動画からの一部文字起こし

◆時系列は復活のルルーシュ以降、表裏一体のコードとギアス

◆主要キャラクターの台詞・設定から考えられること

◆アルは何に復讐するのか

◆復讐するのはアルなのか

◆コードギアスGenesic Re;CODEに関する予想・疑問点まとめ

◆蛇足: 奪還のゼットのイラストで妄想


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◆動画からの一部文字起こし


CODE

それは超常への鍵であり、連鎖の刻印


GEASS

それは人の願いと呪いの裏表


人の世に生きながら、人とは違う理で生きることとなる力。


時に人は、大きな代償を払うとわかりながらも

力を欲する。

時代も時間も時空をも超えて降り注ぐ力のカケラ。

人が願い、力を欲したとき、世界は動き出す。

これは新たなる復讐の物語。


記憶を持たない少年アル

「アルが願う。新しい世界での目覚めを」

「僕は願う、次の物語を」


謎の少女ギギ

「わたしはギギ。あなたに永遠をあげる女」


記憶図書館の司書アーカイヴ

「この図書館に本がないのはあなたのせいで、本があるのはあなたのおかげ」


(中略)


サンライズ・著名作家による

コードとギアスを巡る新たな物語


(中略)


いま、新たな物語を観測する。



◆時系列は復活のルルーシュ以降、表裏一体のコードとギアス


ギアスの欠片が降り注ぐシーンがあることから、復活のルルーシュと同時系列、もしくはそれ以降の時間軸から開始ということになる。



ルルーシュの言葉を借りれば、ギアスは願いである。しかし、今回の発表では「人の願いと呪いの裏表」とされている。コードギアス世界における呪いとは「人の世に生きながら、人とは違う理で生きること」、つまり不死である。本作では、願いであるギアスと、コードに由来する呪いとが、明確に表裏一体とされている。


「コードギアス 反逆のルルーシュ」は、ギアス所有者の視点で展開された。続編の「コードギアス 亡国のアキト」では、時空の管理者の視点を交え、超常の存在が示された。さらに「コードギアス 復活のルルーシュ」では、Cの世界の理と、その変容が及ぼす影響に触れられた。


それらを経て、「コードギアスGenesic Re;CODE」は、「コードとギアスを巡る新たな物語」と位置付けられている。過去作の情報をすべて踏襲し、人の世とCの世界とが最もバランスよく描かれる作品になることが期待される。復活のルルーシュ以降、Cの世界の理は元に戻ったのか、それともさらに何らかの変化を遂げているのか、というのも気になる点だ。


ところで、時空の管理者が言う「有史以来初めて」とは、復活のルルーシュ内の出来事か、それともアルが「人間にとっては存在しない」彼女に対面できていることだろうか。なお、時空の管理者についてはこちらで触れている。


 時空の管理者の存在は「人間にとっては存在しない者だが、見える者には存在する」



ゲーム性については、アルが過去のシリーズ作品を渡り歩いていくというありきたりな想像しかできていない(台詞・設定にて後述)。「目覚め」から死に戻りという線も考えたが、「新しい世界」からはあまり死が想起されない。また、復活のルルーシュでシャムナがやり尽くした感があり、同じネタを軸に据えるとも考えにくい。今いる作品から別の作品へ、と考える方がシンプルである。


記憶図書館は、コードギアス本編に登場した記憶美術館の別の表現方法であろう。アカシックレコードの思想に基づけば、地球や人類の記録は、美術館の絵画、図書館の本などのように保存されている。Cの世界とアカシックレコードとの類似性についても、先ほどの記事で触れている。


アルが願い、新しい世界で目覚めるたびに、「本」が消え、新たな「本」が生まれているということだろうか。そうであれば、アルの目覚め=ギアスの行使が、アルという個人の記憶が消失するにとどまらず、図書館内の本に影響を与えていることになる。まるで多元世界の分岐点を生み出しているかのようだ。このあたりが、作品を渡り歩くという想像につながっている。


左: 仮面ライダーW「地球の本棚」・右: NieR : Automata「図書室」



◆主要キャラクターの台詞・設定から考えられること


アルの衣装からは、武器を携行していることもあり、復活のルルーシュの舞台となったジルクスタンが想起される。袖や襟、宝石などから、それなりに高貴な家柄の出であることも感じる。


コードギアスのキャラクターにしては、名前がシンプルすぎることも気になっており、アルという名前が仮称・愛称である可能性も考えている。アル自身が記憶を失っていることも相まって、様々な作品を巡る過程で本当の名前や自身のルーツにたどり着く、という展開もありえるのでは、などと妄想した(たとえばロロも、劇場版にてネブロスという別の名前も明らかにされたが、本名が何なのかは不明のままである)。


記憶を持たない少年 アル


ギギの衣装で目立つものは、鎖である。C.C.も拘束衣を着ていたが、拘束のイメージがより強調されている。コードギアス世界において、コードとギアスは宗教である。宗教的な象徴としての鎖は、感覚や肉欲など人間を束縛し隷属させるものを表す。また、囚人の守護聖人ノブラクの聖レオナルドゥスの標章であるともされる。ギギは、アルという人間をコードとギアスの理に束縛する存在である


それとも、ギギ自身を隷属させるより上位の存在、神なる者の暗示だろうか。ギギは、一見C.C.と同じ立ち位置のようだが、「永遠をあげる」という発言の軽さが引っかかる。なぜなら「王の力はお前を孤独にする」ものであり、永遠の孤独、その苦しみを最も体現したのは、ほかならぬC.C.だからである。永遠は、やすやすと他人にあげてよいものではない。しかし、ギギが、アルのパートナーというよりは、何者かに使役され、ギアスを覚醒させることを役務として行っているとするならば、ある程度うなずける。


謎の少女 ギギ


アーカイヴの衣装には、天体のような円形のモチーフ、袖の中にはアカシックレコードの象徴たる宇宙が広がる。巫女の装束にも似ている。常に物語の外側から本を管理する者であり、神なる者、また「新たな物語を観測する」プレイヤー自身に近い存在であるともいえる。


記憶図書館の司書 アーカイブ


ちなみに、別の作品の話となるが、多元世界の観測者として登場したキャラクターとして、「ドラッグオンドラグーン3」のアコールがいる。彼女はとある分岐点でのみ、観測者としてのルールを破り、主人公のゼロに干渉する(主人公がゼロという名前なのは、おもしろい偶然である)。


アーカイヴにもこのような役割があればおもしろい。担当声優の花守みゆり氏も「自分が1番情報を持っているが、今は何も言えない」といった趣旨の発言をしていた。


DOD世界における旧世界のアンドロイド アコール



◆アルは何に復讐するのか


「これは新たなる復讐の物語」と明言されている。アル自身の情報がほとんどないため、復讐の動機は定かでないが、復讐というからにはおそらく復活のルルーシュまでの時間軸で何らかの不利益を被ったのであろう。


アルはシャルルの神殿と似たような場所にいた。目的を果たすためには、Cの世界にアクセスする必要があり、そのためにはやはり神殿が必要だったようだ。シャルルの神殿はすでに破壊されているので、これはシャルル以外の人物がつくった神殿が残っていたか、新たにつくられたものということになる。


Cの世界への門を探して旅を続けたC.C.のように、復讐のために神殿を探し続けたのか、あるいはアル自身がつくったのか。いずれにせよ、そこまでの行動を起こすからには、復讐したいという思い自体はかなり強いものだと考えられる。


本編から劇場版までの流れで、それ相応の出来事は何かあっただろうか。何らかの利害関係を生んだ可能性のある事象を、時系列順に列挙する。


①神聖ブリタニア帝国が事実上最強の国家となった

②ブラックリベリオンで黒の騎士団が敗れた

③ルルーシュの願いにより、人類が時の歩みを止めなくなった

④ルルーシュが世界征服を成し遂げた

⑤超合集国が組成され世界が平和になった

⑥Cの世界の理が変化した

⑦シャムナとシャリオが死んだ

⑧ジルクスタンが超合集国に加盟した


アルが実際に物語を渡り歩く存在であり、ジルクスタンに由来する人物だとすれば、⑤⑥⑦⑧あたりは関係していそうだ。ただし、すでに復活のルルーシュにおいて、⑤はジルクスタンの、⑥はシャムナの行動の動機として使用済である(⑤世界から戦争が消え、傭兵国家としての稼ぎがなくなった、⑥Cの世界に入れなくなった)。ネタの重複を避けるならば⑦か⑧になる。


アルが高貴な出、たとえばシャムナとシャリオの血縁者などであれば、⑦はありえるかもしれない。髪や目の色は2人と多少異なっているが、神聖ブリタニア帝国の面々を見るに、遠縁まで含めれば可能性はゼロではないだろう。ただし、壮大な新作の始まりにふさわしいかと問われれば、いまいちだ。⑧もありえなくはないが、ジルクスタン過激派のような行動であり、アルの印象にややそぐわない(見送るルルーシュの微笑みも印象的であった)。


①②③④は、現時点で直結させるには情報量が少なすぎる。また、ここに挙げたものが一切関係していない可能性もある。


アルの復讐の動機や対象については、あまり明快な想像ができないため、今後の続報を待ちたい。



◆復讐するのはアルなのか


念のために考えておきたいポイントである。復讐するのは、本当にアルなのだろうか


ギギがアルにギアスを与えるシーンの表情である。本編でこのレベルの、いわゆる悪い顔をしたのは、ルルーシュと、C.C.にコードを押し付けたシスターくらいだろう。



C.C.は憂いを帯びた表情こそすれ、悪い顔はほとんどなかった。彼女自身の死にたいという願いにルルーシュを巻き込んでしまったことを、悪いと思う気持ちの方が強かったのだろう。しかし、これはC.C.からルルーシュへの個人的な思い入れゆえであり、通常はシスターのようになる方が自然と思われる。


ギギに何らかの悪意があるのか。それとも、ギギを介して人の世に干渉したいご主人様の存在があるのか。Cの世界と時空の管理者を深堀するなら、このようなテイストも悪くない。



◆蛇足: 奪還のゼットのイラストで妄想


コードギアス Next 10 years Project 公式サイト


時系列は復活のルルーシュから10年以上あとか

・中央・上の女性は成人後の神楽耶?もしくは神楽耶の子?

・中央・下はナナリーの子?(髪型、輪郭線、目元などから)

・左の男性は、ジェレミアと無関係とは言わせない

・右の男性は、藤堂と千葉の子ども?(髪型、表情は千葉っぽい)